用語集

2025/10/27作成

Safety-IIとは、従来の安全管理の枠組みである「Safety-I」に対する新たな概念であり、事故やインシデントを防ぐことに加え、日常業務がうまくいっている理由に着目するアプローチである。

Safety-Iが「何が悪かったか」に焦点を当てるのに対し、Safety-IIは「何がうまくいっているか」を分析し、成功の要因を再現・強化することで安全性を高める。特に医療や航空、製造業など複雑な業務環境において、現場の柔軟な対応や暗黙知が安全を支えていることが多く、Safety-IIはそれらを可視化し、組織的に活用することを目的とする。

人事労務の分野では、ヒヤリ・ハットの共有だけでなく、日常業務の中での工夫や改善事例を収集・展開することで、職場の安全文化を醸成する手法として注目されている。安全を「失敗の回避」から「成功の促進」へと転換する考え方であり、現場主導の安全管理を支援する理論的基盤となっている。