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外国人の介護福祉士とは? 資格取得ルートと採用担当者が知っておきたいポイントを解説

2026/10/7

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外国人の介護福祉士とは? 資格取得ルートと採用担当者が知っておきたいポイントを解説

外国人介護人材が介護福祉士の国家資格を取得すれば、在留資格「介護」への移行によって長期的な就労が可能になる。しかし、受験ルートや在留資格の種類が複雑で、正確に理解できている採用担当者は多くないだろう。

本記事では、外国人が介護福祉士資格を取得するための3つの受験ルートと、介護分野で働ける4つの在留資格の違い、合格率の実態、そして事業所が行うべき支援までを解説する。ぜひ、本記事を外国人材の採用・育成計画の参考にしてほしい。

本記事のポイント

3つの取得ルート

実務経験・EPA・留学の特徴と違いを解説します。

在留資格の違いを理解

資格取得後の就労や在留制度を整理します。

定着には支援体制が重要

学習支援と日本語教育が合格を後押しします。

(1)外国人が介護福祉士を目指す背景

介護業界では、なぜこれほど外国人材の介護福祉士資格取得が注目されているのだろうか。ここでは、その背景となっている業界の現状と、資格取得のメリットを整理する。

・深刻な人手不足と外国人材への期待

厚生労働省の推計によると、2026年度に約240万人、2040年度には約272万人の介護職員が必要になる見込みである一方、2023年時点の介護職員数は常勤・非常勤を含めて約212.6万人にとどまっている。

少子高齢化による生産年齢人口の減少が続く中、国内人材だけで担い手を確保することは難しく、外国人介護人材の受け入れが人手不足解消の重要な選択肢として位置づけられている。国内の外国人労働者数は、2022年の約182万人から2025年には約257万人へと増加を続けている。

・介護福祉士資格を取得するメリット

介護福祉士は、介護に関連する唯一の国家資格である。特定技能や技能実習といった在留資格で働く外国人が介護福祉士国家試験に合格すれば、より上位の在留資格である「介護」へ移行でき、就労期間の制限なく長期的に日本で働き続けることが可能になる。

また、介護福祉士資格は介護分野における専門性の証明となるため、施設側にとっても質の高い介護サービスの提供や人材育成の面でメリットがある。

(2)外国人が介護福祉士国家試験を受験する3つのルート

外国人が介護福祉士国家試験を受験する方法は、入国時の在留資格によって異なり、大きく3つのルートに分けられる。ここでは、それぞれのルートの特徴を紹介する。

・実務経験ルート(特定技能・技能実習)

特定技能や技能実習の在留資格で働く外国人は、介護施設等での3年以上(従業期間1,095日以上かつ従事日数540日以上)の実務経験と、実務者研修の修了によって受験資格を得られる。

このルートは、EPA(経済連携協定)や養成施設ルートと異なり、資格取得そのものを目的としていないため、学習支援は外国人自身や雇用施設に委ねられる部分が大きい。特定技能として入国した場合、日本に滞在できる期間は原則5年間であり、その間に受験できる機会は最大2回に限られる。

・EPAルート(EPA介護福祉士候補者)

EPAルートは、インドネシア・フィリピン・ベトナムの3カ国との協定にもとづき、母国で一定の教育を受けた候補者が、日本の介護施設で就労・研修しながら国家試験の合格を目指す。日本語能力の要件は国によって異なり、ベトナムはN3(日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる)以上が求められる一方、インドネシアやフィリピンはN4~N5程度とされ、ハードルが下がる。在留期間は原則4年間で、その間に国家試験合格を目指す。なお、一定の要件を満たした場合には在留期間の延長が認められる場合もある。

・養成施設ルート(留学)

養成施設ルートは、在留資格「留学」で来日し、日本語学校で1~2年学んだ後、介護福祉士養成施設(専門学校等)に2年以上通って国家試験の合格を目指す。養成施設への入学には、日本語能力試験N2(日常的な場面で使われる日本語の理解に加え、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解することができる)相当の日本語力が求められることが多く、3つのルートのなかでも日本語能力・専門知識ともに高い水準が求められる。

介護福祉士養成施設に在籍する外国人留学生の数は年々増加している。日本介護福祉士養成施設協会の調査によると、2025年度の入学者7,356人のうち外国人留学生は4,074人で、全体の55.4%を占めている。

(3)介護分野で働ける4つの在留資格の違い

外国人が介護職として働ける在留資格は、介護福祉士資格の有無や在留期間の違いにより4種類に分かれる。ここでは、それぞれの特徴を比較する。

・「介護」「EPA」「技能実習」「特定技能」の比較

在留資格「介護」は、介護福祉士資格を取得した外国人が対象で、在留期間の更新に制限がなく、家族の帯同も可能である。

EPA、技能実習、特定技能はいずれも介護福祉士資格を前提とせず、在留期間は最長4~5年に限られ、訪問系サービスへの従事にも制限がある(特定技能や技能実習は2025年に一定条件のもとで訪問系サービスへの従事が解禁された)。EPA、技能実習、特定技能で在留している外国人が介護福祉士試験に合格した場合は、在留資格を「介護」に変更でき、長期的な就労が可能になる。

(4)介護福祉士国家試験における外国人の合格率の実態

介護福祉士試験全体の合格率は7割前後と国家試験のなかでは比較的高い水準にあるが、外国人の合格率はそれを大きく下回るのが実情である。ここでは、最新の試験結果をもとに、外国人の合格率の実態を紹介する。

・全体と比べて低い外国人の合格率

2026年1月に実施された第38回介護福祉士国家試験は、受験者78,469人に対し合格者54,987人で、合格率は70.1%であった。外国人の合格率はこれを大きく下回る水準にあり、過去の試験回(第36、37回)では、特定技能1号や技能実習からの受験者の合格率が3~4割程度にとどまっている。

この背景にはさまざまな要因が考えられるが、介護福祉士国家試験では専門知識に加えて日本語による問題文の理解が求められることから、日本語の読解力が合否に影響する要素の一つと考えられる。

・EPA候補者は国によって合格率に差がある

EPA介護福祉士候補者の合格率を国別に見ると、ベトナムの合格率が突出して高く、直近の試験回では7~9割台で推移している。その一方、インドネシアやフィリピンは2~4割程度にとどまる傾向が続いている。

背景には、国ごとの日本語能力要件や来日前教育の違いなどがあると考えられる。特にベトナムでは来日前に日本語能力試験N3以上が求められるため、高い日本語能力が試験対策に有利に働いている可能性がある。この結果からも、外国人が介護福祉士国家試験に合格するためには、実務経験だけでなく、日本語の読解力を計画的に身につけることが重要と言える。

(5)養成施設ルートの経過措置が2031年度卒業者まで5年延長

介護福祉士養成施設を卒業した人を対象とする経過措置について、厚生労働省は2026年3月、対象を2031年度卒業者まで5年間延長する方針を示し、自民党・日本維新の会の厚生労働部会で了承された。

これにより、養成施設を卒業した人は、在学中や卒業後すぐに国家試験に合格できなかった場合でも、卒業後5年間は介護福祉士として登録・就労することができる。2025年度の養成施設入学者に占める外国人留学生の割合が初めて過半数を超えたことも、延長の背景の一つとされている。これにより、外国人留学生も国家試験合格を目指しながら介護現場で就労を継続しやすくなる。

(6)外国人介護福祉士の受け入れ・定着に向けて事業所ができる支援

外国人材に資格を取得してもらい、長く定着して活躍してもらうためには、事業所側の支援体制づくりが欠かせない。ここでは、事業所が取り組める代表的な支援を紹介する。

・学習時間の確保と教材や研修支援

外国人が働きながら試験勉強の時間を確保することは容易ではなく、日本語の壁も相まって、現場では「できている」業務が筆記試験では「解答できない」という状況も起こりやすい。

勤務時間内に学習時間を設ける、日本語と介護知識を同時に学べる研修機会を用意する、外国人向けの試験対策講座を活用するといった支援が、資格取得を後押しする有効な手段である。併せて、学習面だけでなくメンタル面のサポートを行うことも、限られた受験機会へのプレッシャーを和らげる上で重要とされている。

・自治体の補助金制度の活用

介護福祉士資格の取得を目指す外国人材への学習支援として、教材購入費や外部講習の受講費、日本語講師による教育費用などを補助する制度を設けている自治体が複数存在する。補助金の対象や金額は自治体によって異なるため、施設が所在する自治体の制度を確認し、活用できる支援策がないか調べておくことが望ましい。

こうした公的な補助制度をうまく活用することで、事業所側の学習支援コストを抑えながら、外国人材の資格取得を後押しできる。

(7)外国人の介護福祉士に関するよくある質問

Q1.外国人が介護福祉士国家試験に挑戦しやすくなる制度はありますか?

第38回介護福祉士国家試験から「パート合格制度」が導入されました。試験科目群ごとに合否を判定し、合格したパートは翌年、翌々年の試験で受験が免除されます。

一度で全科目に合格できなかった場合でも、合格済みのパートを維持しながら再受験できるため、計画的に資格取得を目指しやすくなりました。外国人受験者に限らず、すべての受験者にとって負担軽減につながる制度です。

Q2.国家試験に合格したら、すぐに在留資格「介護」へ変更できますか?

合格発表の直後に変更できるわけではありません。在留資格「介護」への変更許可申請には介護福祉士としての登録が必要であり、合格後に登録申請を行い、登録証が交付されるまでには一定の期間を要します。

3月の合格発表から登録手続きと出入国在留管理庁への在留資格変更許可申請が続くため、現在の在留期限までに余裕があるかを逆算して確認しておく必要があります。特に特定技能で在留期限が迫っている場合は、早めに行政書士等へ相談し、手続きのスケジュールを組むとよいでしょう。

Q3.在留期間内に介護福祉士国家試験に合格できなかった場合、働き続けることはできませんか?

必ずしもそうではありません。在留資格や受入制度によって取り扱いが異なります。

特定技能1号の場合は、原則として通算5年の在留期間に上限があります。そのため、在留期間内に介護福祉士資格を取得し、在留資格「介護」へ移行できなければ、原則として日本での就労継続はできません。

一方、EPA介護福祉士候補者は、不合格であっても一定の条件を満たす場合に在留期間の延長が認められることがあります。また、介護福祉士養成施設を卒業した留学生については、経過措置により、国家試験に不合格であっても一定期間は介護分野での就労を継続しながら再受験を目指すことが可能です。

在留資格や受入制度ごとに要件や在留期間の取り扱いが異なるため、最新の内容を確認した上で対応することが重要です。

(8)まとめ

外国人介護人材にとって、介護福祉士資格の取得は専門性を証明するだけでなく、在留資格「介護」への移行による長期的な就労にもつながる重要なステップである。一方で、資格取得までのルートや在留資格の種類によって受験要件や在留期間が異なり、国家試験では日本語の読解力も求められる。

事業所が外国人材の定着と活躍を目指すためには、採用後の学習支援や日本語教育を含めた育成体制の整備が欠かせない。介護福祉士資格の取得支援を通じて、外国人材が長期的に活躍できる環境づくりを進めることが重要である。

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