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建設業の労働災害とは? 発生原因や事故防止対策を徹底解説

2026/9/2

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建設業の労働災害とは? 発生原因や事故防止対策を徹底解説

建設業は高所作業や重機作業など危険を伴う業務が多く、他業種と比較して労働災害の発生リスクが高い業界である。労働災害が発生すると、作業員の安全が脅かされるだけでなく、工事の遅延や企業の信用低下にもつながるため、適切な安全対策が求められる。

本記事では、建設業における労働災害の定義や発生状況、問題視される理由について解説する。労働災害を未然に防ぎ、安全な現場づくりを推進したい経営者や現場責任者は、ぜひ参考にしてほしい。

本記事のポイント

建設業は災害リスクが高い

高所作業や重機作業が多く、死亡災害も多いです。

災害の種類と原因を理解

事故の特徴や発生要因を把握して対策に生かしましょう。

安全管理の徹底が重要

教育やKY活動(危険予知活動)で事故防止と安全確保を図りましょう。

(1)建設業の労働災害とは

建設業では墜落・転落や重機との接触など、さまざまな労働災害が発生している。現場の安全管理を強化するためには、まず労働災害の定義や発生状況を正しく理解することが重要である。ここでは、建設業労働災害の概要について解説する。

労働災害の定義

労働災害とは、労働者が業務の遂行中または業務に起因して負傷、疾病、死亡する災害を指す。一般的には転倒や墜落によるけがだけでなく、有害物へのばく露や熱中症なども含まれる。

なお、業務に起因する疾病であっても、加齢や生活習慣などが主な原因となる慢性的な病気は労働災害として認定されない可能性がある。そのため、業務との因果関係が重要な判断基準となる。

建設業労働災害が問題視される理由

建設業では高所作業や重機の使用、掘削工事など危険を伴う作業が日常的に行われている。そのため、墜落・転落災害や建設機械・クレーン等による災害、崩壊・倒壊災害が発生しやすい業界である。

特に、建物の建設や改修工事では高所作業が避けられず、作業員は常に転落の危険に晒されている。また、複数の事業者が同じ現場で作業するケースも多く、情報共有不足により事故リスクが高まりやすい点も課題である。

建設業労働災害発生状況

建設業では安全対策が進められているものの、依然として多くの労働災害が発生している。

厚生労働省が公表しているデータによれば以下のとおりである。

建設業労働災害発生状況(令和7年)

死傷災害発生数 13,437人
死亡災害発生数 214人

建設業は死亡災害・死傷災害ともに高い水準で推移している。特に、死亡災害発生数は全産業の700人に対して建設業が214人と、業種別で最も多い。また、建設業における主要な事故原因は墜落・転落災害が挙げられ、継続的な安全管理と事故防止対策の徹底が求められている。

(2)建設業で発生しやすい労働災害の種類

建設現場では作業内容や環境によってさまざまな労働災害が発生する。事故の種類ごとに原因や必要な対策は異なるため、それぞれの特徴を理解しておくことが重要である。

ここでは建設業で発生しやすい代表的な労働災害について解説する。

・墜落・転落事故

墜落・転落事故とは、足場や屋根、高所作業車、はしごなどから転落する事故を指す。建設業で最も発生件数が多く、死亡災害につながるケースも少なくない。作業時はフルハーネス型墜落制止用器具の着用や足場の点検を徹底することが重要である。

・転倒事故

転倒事故とは、作業現場の段差や障害物、ぬれた床面などが原因で転倒する事故である。一見軽微な事故に思われがちだが、骨折や長期休業につながる場合もあるため、整理整とんや通路の確保が重要である。

・飛来・落下事故

飛来・落下事故は、高所で使用していた工具や資材が落下し、作業員に接触することで発生する事故である。現場によっては重大災害につながる危険性もあるため、落下防止措置や立入禁止区域の設定が求められる。

・崩壊・倒壊事故

崩壊・倒壊事故は、掘削工事における土砂崩れや、解体工事での建築物の倒壊などによって発生する事故である。被害が大きくなりやすいため、事前調査や適切な施工計画の策定が重要である。

・挟まれ・巻き込まれ事故

挟まれ・巻き込まれ事故とは、建設機械や設備の間に身体の一部が挟まれたり、回転部分に巻き込まれたりする事故を指す。重傷や死亡事故につながるケースも多く、安全確認や機械操作ルールの徹底が必要である。

(3)建設業で労働災害が発生する主な原因

建設業労働災害は、危険な作業環境だけが原因ではない。ここでは、建設業労働災害が発生する主な原因について解説する。事故の原因を正しく理解し、適切な対策を講じてほしい。

安全教育不足

安全教育が十分に行われていない現場では、危険に対する認識が不足し、事故発生リスクが高まる。特に、新規入場者や経験の浅い作業員は現場特有の危険を把握していないケースが多いため、継続的な教育が不可欠である。

・作業手順の形がい化

安全ルールや作業手順が定められていても、現場で守られていなければ事故防止につながらない。慣れや作業効率を優先した手順の省略は重大災害を招く恐れがあるため、定期的な確認と指導が必要である。

・人手不足による負担増加

建設業界では慢性的な人手不足が続いており、一人あたりの作業負担が増加している。長時間労働や疲労の蓄積は集中力の低下を招き、確認不足や操作ミスなどの労働災害につながる要因となる。

・コミュニケーション不足

建設現場では元請け事業者や協力会社など多くの関係者が作業を行う。そのため、朝礼やKY活動、関係者間の連絡が不十分な場合には、他社作業との干渉や重機接触事故などが発生するリスクが高まる。コミュニケーション不足を解消するためには円滑な連携体制の構築が重要である。

・ヒューマンエラー

確認漏れや操作ミスなどのヒューマンエラーも、建設業における労働災害の代表的な原因の一つである。ヒューマンエラーを完全になくすことは難しいため、ダブルチェックや作業標準化などの仕組みづくりが求められる。

(4)建設業の労働災害を防止するための対策

建設業労働災害を防ぐためには、設備や環境を整備するだけでなく、作業員一人ひとりの安全意識を高めることも重要である。ここでは、建設業労働災害を防止するための対策について解説する。

安全教育を定期的に実施する

労働災害を防止するためには、安全教育の実施が重要である。具体的には危険個所や作業手順、安全ルールについて定期的に学ぶことで、作業員の安全意識向上が期待できる。特に、新規入場者や経験の浅い作業員には重点的な教育が必要である。

リスクアセスメントを行う

リスクアセスメントとは、作業前に危険要因を洗い出し、事故発生の可能性や影響度を評価する取り組みである。事前に適切な対策を講じることで、労働災害の発生リスクを低減できるため、多くの現場で導入が進められている。

・保護具の着用を徹底する

ヘルメットやフルハーネス型墜落制止用器具、保護メガネなどの保護具は、事故発生時の被害を軽減する重要な役割を担う。ただし、着用するだけで十分ではなく、正しい使用方法を理解し徹底することが大切である。

・KY活動を習慣化する

KY活動は、作業開始前に現場の危険個所や想定される事故を共有する取り組みである。作業員同士で危険を認識し合うことで安全意識が高まり、ヒューマンエラーの防止や事故の未然防止につながる。

(5)建設業の労働災害に関するよくある質問

建設業労働災害については、事故の発生状況や法的義務、具体的な防止策などに疑問を持つ担当者も少なくない。ここでは、建設業労働災害に関してよく寄せられる質問と回答を紹介する。

Q1.建設業で最も多い労働災害は何ですか?

厚生労働省の「令和7年における労働災害発生状況(確定値)」によれば、建設業の死傷災害で最も多いのは「墜落・転落」であり、4,343人が被災しています。次いで「転倒」が1,578人、「挟まれ・巻き込まれ」が1,496人となっています。高所作業時の墜落防止対策や、建設機械による挟まれ・巻き込まれ防止対策の強化が重要です。

Q2.労働災害が発生した場合の報告義務はありますか?

労働災害が発生した場合、事業者には労働基準監督署への報告義務があります。休業4日以上の災害では「労働者死傷病報告」の提出が必要となり、死亡災害や重大災害が発生した際は速やかな報告が求められます。

Q3.労働災害防止のために企業が優先すべきことは何ですか?

労働災害防止のためには、安全教育の実施とリスクアセスメントの徹底を優先することが重要です。危険要因を事前に把握し、適切な対策を講じることで、事故発生リスクの低減につながります。

(6)まとめ

建設業は高所作業や重機作業など危険を伴う業務が多く、他業種と比べて労働災害が発生しやすい業界である。特に墜落・転落事故は重大災害につながりやすく、継続的な安全対策が求められる。

労働災害を防止するためには、安全教育リスクアセスメント、保護具の着用徹底、KY活動などを通じて現場全体の安全意識を高めることが重要である。作業員が安心して働ける環境を整備し、安全で生産性の高い現場づくりを目指してほしい。

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